こんにちは、腹筋がカニの裏の人(プロフィールはこちら)です。
私達は成功体験を得たり、周りから褒められたりすることで自信がつきますよね。
自分に自信をつけたくて身体を鍛え始めたという人も多いのではないでしょうか?
しかし、これらの成功経験や、人から褒められることで得られる自信は、果たして「本当の自信」と言えるのでしょうか?
これまで数多くのボディビル大会に出場し、様々な成功や挫折を経験した筆者が、今回はこの「自信」をテーマに取り上げてみたいと思います。
勝利から自信を得ていた過去
私はもともと自分に自信がないタイプの人間でした。
人とのコミュニケーションが苦手で、何かとマイナス思考が働いてしまう。
そんな自分は、元来の筋トレ好きが高じて、2016年からボディビルの大会に出るようになりました。
もともと、負けず嫌いで承認欲求が強かった自分は、大会で良い結果を出したい一心で、1日5時間のハードトレーニングを毎日続けました。
その甲斐があり、早くもデビュー2年目で東京クラス別ボディビル選手権で優勝し、その翌年には階級を上げて東京クラス別(2階級制覇)、関東クラス別、東日本選手権を立て続けに優勝するなど、順調に成績を伸ばしていくことができました。
そういった成功体験を得られる度に、「俺って凄いのかも」と自分に自信が持てるようになっていきました。
挫折を味わった2020年
しかし、順調な競技生活を続けていた中で2020年にコロナ禍が発生。
仕事は出社から完全テレワークに切り替わるなど生活環境も大きく変わりました。
そしてゴールドジムが11月に「ゴールドジムジャパンカップ」を開催することを発表。
雑誌「IRONMAN」で本大会の注目選手として私の特集記事を作って頂いたことで、当時の私はやる気と自身に満ち溢れていました。
しかし、いざ大会に出場したところ、結果はまさかの6位。
本気で優勝を狙っていただけに、その時は酷く落ち込んだことを今でも鮮明に覚えています。
振り返れば、あれがボディビルを始めてから味わった最初の大きな挫折だったと思います。
オーバートレーニング症候群の発症
この挫折から、「もう一度勝ちたい」「勝って注目されたい」「自信を取り戻したい」という気持ちが沸き起こり、さらにハードなトレーニングを慣行するようになりました。
「もっと自分を追い込まないといけない」という思いから、フォーストレップやドロップダウンセットをとにかく多用し、毎セット体力が尽きるまで追い込む。
そのようなトレーニングを続けていたところ、ついに2022年にオーバートレーニング症候群を発症し、競技人生のどん底に落ちました。
詳しくは「【経験者が語る】オーバートレーニングに気をつけよう!」でも触れていますので、良かったらそちらも読んでみてください。
ある本との出会い
そんな時、私はある1冊の本に出会いました。
水島広子著「本当の自信を手に入れる9つのステップ」です。
この本は私の今までの競技人生を見つめ直すきっかけを作ってくれました。
そして、私の新たな人生観を形成する元となった本です。
この本には以下のようなことが書いてありました。
自信には2種類が存在する
自信には大きく2種類が存在します。それは「Doの自信」と「Beの自信」です。
【Doの自信】
何かを達成したことで得れられる自信。成功体験や人から褒められたことで得られる自信など。
【Beの自信】
長所も短所も、ありのままの自分を受け入れることで得られる自信。「結果」よりも、その「過程」や「在り方」を大切にすることで得られる自信。
Doの自信はボディビルに言い換えると「大会で勝つ」ことや「メディアで注目される」こと、「周りから凄いと言われる」ことで得られる自信といえます。まさに私が追い求めていたものです。
しかし、この自信を維持するためには、常に「結果」を追い求める必要があります。大会で勝ち続けたり、凄い身体であり続ける必要がある。
言い換えれば、大会で負けてしまえば一瞬で失ってしまう「不安定」で「もろい」自信といえます。
人は何かに挑戦したとき、当然ながらそれが必ず成功するとは限らないし、成功してもそれが続く保障はどこにもありません。
まして、競技は他人との勝負の上で成り立つため、その勝敗は自分でコントロールできません。
そのような確実性のないもの、コントロールできないもの、周りの影響を受けやすいものに、ある意味「依存する」ような自信は、果たして本当の自信と言えるでしょうか?
一方、「Be」の自信は自分の長所も短所も受け入れた上で、「過程」や「在り方」を大切にすることで得られる自信です。自尊心や自己肯定感に近いものでしょう。
例えば、楽しくトレーニングを続けていきたい、人に親切にできる人でありたい、常に前向きな人でありたい、といったものです。
ポイントは、あくまでも「〜でありたい」という気持ちが大切であり、「〜でなければならない」という義務感を持たないこと、そして達成できなかったとしても自分を責めない(受け入れる)ことが大切です。
これらは「心がけ」次第なので自分でコントロールでき、かつ周りからの影響を受けません。
また、「過程」や「在り方」に注目するので、例えそれがどんな結果になろうと大した問題ではないのです。
「結果」にとらわれない(どんな結果も受け入れられる)ので、途中で諦めたり失敗を恐れることなく、挑戦を続けることができます。
私はこの本をきっかけに、「Doの自信」ばかりを追い求めていた過去を反省し、ありのままの自分を受け入れていく「Beの自信」を心がけるようになりました。
そうしていくうちに、自分の中で絶対にブレない「芯」のようなもの、言い換えれば「信念」のようなものが生まれました。
自分に正直に生きる、物事の良し悪しをしっかり考えて行動する、周りの評価を気にしない、堂々と生きる、そのような信念が、「本当の自信」に繋がっていったのだと思います。
今では、これまで心に抱えていた余計な不安や悩みといったものが減り、日々を前向きに過ごせるようになりました。
まとめ
今回は「本当の自信とは何か」をテーマに解説しました。
ボディビルという競技は見た目で分かりやすいために、つい他人と比べてしまったり、大会の結果ばかりに注目してしまいがちです。
特にSNSなどのメディアが普及した現代では、その傾向は顕著になってきていると感じています。
ですが、自分は過去に勝利から得ていた一時的な(表面的な)自信より、挫折を乗り越えることで得たこの「本当の自信」はずっと強固なものになったと思っています。
挫折はなるべく経験したくないと誰もが思いがちですが、それを避けていてはいつまでも成長できません。それを乗り越えたとき、ようやく「失敗することが当たり前」と理解できるようになり、本当の自信が手に入るのだと思います。
これからボディビルに挑戦する人には、結果に一喜一憂することなく、その「過程」や「在り方」を大切にして、常に挑戦する気持ちを持ち続けて欲しいと思います。
最後にもう一度、「本当の自信を手に入れる9つのステップ」を紹介しておきます。
私がここで紹介した内容はほんの一部ですので、興味のある方はぜひ読んでみて下さい。
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